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第3部 質疑応答
Q.50年前に姉が右乳がんの手術を受けたが、最近左にがんが見つかり、手術を受けた。腕があがらなくなり、現在も薬を服用している。A.乳がんの治療は日進月歩であり、現在は腕の後遺症はあまりない。乳がんになった人の対側乳房ががんになる率は6〜7%。対側の検診を受けることが必要。
Q.乳がんは何故日本で増えているのか
A.はっきりしたことはわからない。
食生活が変わり、動物性脂肪の摂取が多くなったこと。
お酒も影響がある。煙草の影響は意外とない。
ホルモン環境が変わった。食生活が変わり体格がよくなったこと。閉経が遅くなった、出産が遅くなったなど。
閉経後の肥満
遺伝。家族に閉経前に乳がんになった人がいる場合は要注意。卵巣がんも乳がんと同じ遺伝子。
Q.再建のリスクと再建による補助療法への影響は?
A.若い人は再建の話をするとしたいという人が多い。再建は整容性を目的とするので、再発とは別の問題であり、直接関係はない。また、治療に影響を及ぼすこともない。
Q.治療後妊娠可能か
A.転移、再発がなければ妊娠は問題ない。治療中の妊娠は避けること。
Q.リンパ節郭清後むくみが出る人の確率とどういう人がむくみが出やすいのか?
A.昔は筋肉をとっていたので多かったが、現在は1割くらい(25%という数字もある)
Q.タモキシフェンを飲んでいるが、髪がパサついたりするので、豆乳やザクロエキスなど女性ホルモンと同じ働きをするものをとっているが、問題ないか?
A.問題ない。豆乳に含まれるイソフラボンには植物性エストロゲンが含まれる。乳がんに関係するのは動物性エストロゲンであり、植物性エストロゲンはむしろ動物性エストロゲンを抑える効果がある。
Q.乳腺のう胞とは何か?乳腺のう胞と言われたらどうしたらよいか?
A.本当に乳腺のう胞であれば良性である。のう胞とは、風船に水が入ったようなものであるが、この風船にあたるところにがんができる場合がある。
Q.非浸潤がんでホルモンレセプターが1であったが、ホルモン療法を受けなかった。この選択は正しいか?
A.非浸潤がんについては意見が分かれている。受けても受けなくてもよい。放射線治療は再発予防として受けた方がよい。
Q.不妊治療でホルモン治療を受けたが、そのことが乳がんを誘発したのか?
A.不妊治療や避妊治療は大きな影響はない。
Q.乳がん患者が生活の中で大切にすることのアドバイスを
A.自分のため、家族のため、希望を持って前向きに。あまり落ち込まないこと。希望を持っている人の方が予後がいい傾向がある。
Q.乳腺症と乳がんの関係は
A.乳房に何らかの変化があれば乳腺症と言われる。乳腺症といっても非常に幅が広い。乳がんになりやすい乳腺症とそうでないものとある。組織をとってADHというものがあれば乳がんになる可能性が高いので定期的な検査を受けた方がいい。
Q.ホルモン療法5年が終わった後はどうなるのか?
A.治療は行わない。現在は5年以上治療を続けて効果があるという客観的なデータがないので、5年以上は行わない。薬は毒にもなるので、客観的に効果があることが証明されていなければ使用しない。タモキシフェンも昔は1年だったが、2年、5年と延びてきた。これはその期間服用を続けた方が効果がある(命が助かる)というデータが出たため。現在は5年→10年の比較試験が行われている段階であり、その結果が出るのは10年以上後になる。何か薬を飲んでいないと不安であれば、代替医療を取り入れてもよい。科学的な根拠はないが、精神的にはよい。
Q.現在UFTという薬を飲んでいるが、これはどういうものか?
A.治療の説明の「その他の抗がん剤」に該当する。症例を選べば効果がある。
Q.PETに変わる検査はあるか
A.PETが受けられるのは非常に恵まれている。PETがない場合は、骨シンチ、CT、MRIなどを組み合わせて検査を行う。
Q.ノルバデックスを半年程度やめていた時期があるが、このような場合、5年間とはどのように数えるのか?
A.休んでいた時期は除く。質問のケースでは、治療を開始していから5年半後まで。
Q.先生から見た良い患者とは?
A.誰でも不安を持っているのがわかるので、悪い患者と思う人はいない。治療は個人によってケースバイケースなのに、他の人が受けている治療をきいて、何故自分はその治療がないのかと不安がるような人は困る。
現在は、患者の家族のケアを考えている。患者同士は案外ケロッとしているのに、家族にストレスがたまっていることが多い。
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